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サーフィンは禅的である。自然と向き合い続けるロングボーダー

hata yuji サーフィンは禅的である。自然と向き合い続けるロングボーダー
2017/ 08/01

サーフィンは禅的である。自然と向き合い続けるロングボーダー

畑 雄二

サーフィンは禅的である。自然と向き合い続けるロングボーダー

西日本出身者で初めて、世界大会で優勝した経歴を持つプロサーファー 畑 雄二 選手。
ビックウエーブからジャンクな波、様々な世界中の波を乗りこなす彼がサーフィンの本質について語った。
畑 雄二 選手の前回記事はこちらから。

ビッグウエーブで感じた自然のエネルギー

ハワイではよくビッグウエーブに乗っているとお伺いしたのですが、普段のサーフィンとは感覚的には違うものですか?

全く違うね。ビッグウエーブとなると、エネルギーがとても凄いから自ずと全身の感覚がむき出しになる。だから待ってる時から興奮するし乗っていてドキドキして、乗り終わってから「駄目だー。」みたいな気持ちもあるし「決めたー!よっしゃー!」みたいな。もし乗ってる時に「あ、これ、コケるな。」と感じたら「今から最悪のことが起こるぞ。それでも、もまれたらパニックにならないように準備しないと。」とひたすら自分に言い聞かせているね。

その”もまれる”とはどういう意味ですか?

波に身体がもっていかれること。感覚としては溺れるに等しいね。ましてや、サーフィンを必死にした後だから50メートル走を本気で走った後に息を止めるみたいな感覚。本当にきついよ。息を止めれるか止めれないか。少しでも水を飲んだらアウトだし、暴れたいけど暴れることができない。「どこまで続くんだろう。もう死ぬんじゃないか。」ってくらいにビッグウエーブは本当に危険。

一般の方で何の知識もなかったり、油断していたりすると死ぬ可能性があるよ。

波乗りは精神的な部分と密接な関係性を持っている。

試合の前に何かルーティンにしていることはありますか?

すぐにジャパーン!と海に入るのではなくて、少し立ち止まって思いを馳せるようなことをするね。それは、相手が自然だから。大地を感じて、思いや何か祈りのようなものを海に持って行く感じかな。波やエネルギーを感じないと試合で勝てないから感性を解放するみたいなこと。

そして、スピリチュアルな話だけど人間皆、最後は自然に還るわけ。土になったり、灰になって、空気に飛ぶ、それが雨になって、最後は海に還る。だから亡くなった祖父の事を考えてたりして「じいちゃん見ててな。」と試合の前はいつも思っている。

波に乗っている時に不思議な感覚を感じることなどはありますか?

やっぱり、極限の状態で一人ポツンと波と向きあっているので波待ちのタイミングは本当に無に近い感覚かな。そして、波に乗ってる時の記憶もいつもない。いわゆるフロー状態やゾーン状態と言われる感覚に近いのかもしれない。

そもそも、波乗りっていうのは波に対して抗おうとするのではなく、波をまず受け入れて、その上で、自分の持っていきたい方向に力をどう活かしていくのかが重要。だから、波やエネルギーをまず感じないといけない。なぜなら、サーフィンは自分の力や技術でするスポーツではなく自然と向き合って、自分と向き合うスポーツだから。例えばサッカーは人とボールがあればできるけれど、サーフィンは結局、波と自分、大自然と自分しかいないわけ。もちろん、試合となれば、そこには戦略や駆け引きがあるけれど本質はそこにないよね。

誰かと対峙しているというよりかは、自然と向き合ってこそのスポーツですね。

自然のパワーをここまで動的に感じれるスポーツもあまり無いんじゃないかなと思っている。そもそも、冷たい温度と暖かい温度が摩擦しあって、どこかで嵐が起きれば、そこにエネルギーが発生する。そのエネルギーが波動となって海岸まで押し寄せてきたその波を僕らが乗る。それだけで何か感じるものがある。自分という存在の小ささや自然の雄大さ。美しくも恐ろしい波動。これほどまでに自然を動的に感じながら遊べるスポーツって唯一無二サーフィンだけだと思うね。

普段の生活でも、自然を感じることはありますか?

僕は、すごくパワーを感じる。例えば、山に一人で登ると怖くて入って行けない道があったりする。お昼過ぎの時間でも暗いし雰囲気が悪い道とかがある。それは、自然と自分が向き合った時に自分が映るような力だと思う。自分の悪い雰囲気が山が鏡のようになって自分の作り上げた悪いイメージとして映ってしまうのだと思う。

もっとチャラチャラしたイメージを持っていたのですが、畑 選手のお話を聞いて、サーフィンのイメージがかなり変わりました。

ただ楽しいから乗ってるってのはあり。楽しみはあるべきだよね。楽しくないといけないよ。波乗りして女の子とバーベキューにレッツゴー!みたいなものは単純に楽しい。でも、それはサーフィンの商品化であって、本当のサーフィンは禅的なものであるし、自然と交わるスポーツだからやはり奥も深い。

例えば、登山とかも最初は楽しくて商品化されてるものから入るけど、深くなっていくほど、なにか壮大なものとぶつかると思う。だから楽しくサーフィンをやってると自然に「確かに、サーフィンは壮大なパワーのようなものがあるな。」ってなる時がくるはず。そして、それが面白くなってくる。

なるほど。入り口は単純に楽しく、やればやるほど奥が深いから面白い。

今のサーフィンは、ファッションだったり外向きのかっこよさを見せていくことが多いけれど、本当の部分はマインド面がとても豊かになれるスポーツだからそういう部分ももっと注目してもらえると嬉しいな。サーフィンメディアは、外に向けてかっこいいイメージが付きやすいけども実際は内面が豊かになれる。これは、僕が一番伝えたいこと。

今後もサーフィンはどんどん人気になっていきそうですね。

サーフィンは、アメリカのハワイから輸入されてきたスポーツなんだけど、日本人の精神性に合うスポーツだと思っている。それは、ハワイの文化が日本と近くて、自然崇拝をやっていた文化だから。理由は島国ってところも関係していて、要するに気候の変化などが激しいから自然を人間の力で矯正しようとするのではなく、利用したり、活用したりしながら、自然と共に生きてきた。だから、その精神性が共通しているハワイのサーフィンと日本人は相性が良くて、日本では流行ったし、これからももっと盛り上がっていって欲しいなと思う。

サーフィンといえば、何を思い浮かべるだろうか?
カッコいい。チャラいスポーツ。肌が真っ黒な男性。
なんとなく、そんなイメージが強い人も多いのではないだろうか。
その浮ついたイメージを180度覆すような畑 選手のインタビューは、まさに驚きの連続だった。
これからもMOVE編集部は、サーフィンの魅力に迫っていきたいと感じた機会だった。

文:MOVE編集部

PROFILE

選手プロフィール
畑 雄二

畑 雄二

生年月日:1987年4月2日
出身地:大阪生まれ。20歳の時から4年間千葉に住んだ後、現在は大阪在住。
趣味:読書

獲得タイトル
2013
ASP Real b voice Taito 1位
JPSA マーボロイアル 1位
ASPジャパン グランドチャンピオン

2014
JPSAガルーダプロ 1位
JPSA マーボロイアル 1位
JPSA2014グランドチャンピオン

2015
JPSA千倉リアルビーボイス 1位

2016
JPSAムラサキプロバリ3位
選手公式ウェブサイト http://soulriders.southborder.jp/rider/yuji.html 選手公式SNSアカウント

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2013
ASP Real b voice Taito 1位
JPSA マーボロイアル 1位
ASPジャパン グランドチャンピオン

2014
JPSAガルーダプロ 1位
JPSA マーボロイアル 1位
JPSA2014グランドチャンピオン

2015
JPSA千倉リアルビーボイス 1位

2016
JPSAムラサキプロバリ3位
選手公式ウェブサイト http://soulriders.southborder... 選手公式SNSアカウント

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畑 雄二

生年月日:1987年4月2日
出身地:大阪生まれ。20歳の時から4年間千葉に住んだ後、現在は大阪在住。
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2013
ASP Real b voice Taito 1位
JPSA マーボロイアル 1位
ASPジャパン グランドチャンピオン

2014
JPSAガルーダプロ 1位
JPSA マーボロイアル 1位
JPSA2014グランドチャンピオン

2015
JPSA千倉リアルビーボイス 1位

2016
JPSAムラサキプロバリ3位
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