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言い訳なし!両手両足がない彼が伝える、人の可能性とマインドの重要性

KYLE MAYNARD 言い訳なし!両手両足がない彼が伝える、人の可能性とマインドの重要性
2017/ 08/18

言い訳なし!両手両足がない彼が伝える、人の可能性とマインドの重要性

カイル・メイナード

言い訳なし!両手両足がない彼が伝える、人の可能性とマインドの重要性

世界中でモチベーショナルスピーカーとして活躍しているカイル・メイナードという方をご存知だろうか?彼は生まれながらにして両手両足がないという障がいを持ちながらも様々なことに挑戦し偉業を成し遂げ、多くの人に感動と勇気を与える存在となっている。

そんな彼が、先日開催されたHERO’S JOURNEY CONFERENCE JAPAN(ヒーローズジャーニーカンファレンスジャパン)に出演するため初来日した。

今回は、カイル・メイナードが「何事もマインドが重要だ」という考えを持つようになったきっかけである高校時代のレスリング部の話をMOVEが独占インタビューした。

カイル・メイナード(Kyle Maynard)

1986年生まれ、アメリカ・アトランタ在住。生まれながら両手両足がないという障がいを持ちながらも両親は、普通の子供として育て、カイルがやってみたいということは何でもトライさせた。親の影響からレスリングを始めたカイルだが、相手は健常者であり四肢がないカイルにはなかなか勝利を得ることができず36連敗。
そんなカイルを支えたのは父親の教えだった。「失敗はかっこいい、素晴らしいこと」「不可能なことはない」「絶対に諦めるな」など、父親の叱咤激励を受けながらひたむきにレスリングと向き合った。そして、壮絶な苦悩の末、37戦目ついに勝利をつかんだカイルは次のことを悟った。
「勝負の決め手は、自分に自信があるかどうかで、相手の資質は関係ない」
そこから快進撃を見せ、遂には高校アマチュアレスリングでジョージア州の高校チャンピオンになった。その後、19歳で自らの哲学を記した『No Excuses』(言い訳なし)を出版し、多くの感動とともにベストセラーになり、以降、モチベーショナルスピーカーとして、全米各地を周り、「障害があっても、何でも可能だ」というメッセージを力強く伝え続けている。
また、モチベーショナルスピーカーとして大きな成功をおさめた彼は、突如、無謀とも言える山岳アタックを決意し、2012年、アフリカ最高峰キリマンジャロ5895mの登頂に成功する。そして、昨年2016年には、さらに難しい南米最高峰6962メートルのアコンカグアの登頂を達成。

〈登山挑戦の一部始終〉

人間、悪い状態がないといい状態に移れないということだね。

まず、スポーツをやろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

僕自身、スポーツが大好きで大ファンだったんだ。さらに父もアスリートだったから、彼のようになりたいと思ったことがきっかけだよ。

小さい頃からご両親から激励の言葉を受けながら育ったと伺いました。その言葉を負担に感じたことはなかったのですか?

負担に感じたことは多少なりともあるね。

ただ、それよりもレスリングを始めた時に強く思っていたことは、自分は障害者だけど無力な人間ではないことを証明したかった。

投げ出したいと思ったことは?

レスリングを辞めたいと思った時はあったね。レスリングをやり始めた当初は負け続けていたから多くあって、でもそういうときに父からもらった言葉があるんだ。

父が言うには「お父さんも1年間はずっと負け続けていた。誰もが最初の1年間は負け続けるんだ。でも、2年目になれば、その時1年目の人よりも強くなっているから、2年目は勝ち続けることができるよ」と。そして、ずっと後になって分かったのは、父親は1年目から勝っていたということだよ。父は僕を励ますために嘘をついていたんだ。(笑)

ただ、その投げ出したい数々の経験を振り返って思うのは、人間、悪い状態がないといい状態に移れないということだね。

例えば、今、僕は写真やビデオに凝っていて、だいぶ綺麗な写真が撮影できるようになってきたんだ。それでも、撮り始めた最初の2,000枚くらいの写真は、本当にひどくて使い道のないような写真だった。それと同じで、最初から何でもできる人はいないし、僕は特にできない。だから、やり始めた時にうまくいかない状態を受け入れて、どれだけ次の段階に早く移れるかということを考えるべきだなと思うようになったんだ。

他にもそういうエピソードはありますか?

僕が入部したレスリング部は、全米でトップクラスの素晴らしいチームだったんだ。全米でもベストクラスの成績を残す選手たちが同じチームにいて、ライバルとして目の前にいた。そんな彼らと厳しい練習を乗り越えるというのは、本当に大変で投げ出したいと何度も思った。トレーニングの厳しさも全米でトップレベルだったんだ。(笑)でも、なんとか乗り越えられた。そして、ライバル達よりも強くなるがことできた。

〈トレーニング時の風景〉

犠牲を払えば、それ以上のものが返ってくることも、その時学んだんだ。

同じチームのメンバーは健常者だと思うのですが、その人たちからの目線で気になったりしたことはありましたか?

そのチームでは逆に僕を普通の人と同じように扱ってくれた。そのことについては本当に幸運だったと思う。

一つエピソードがあって、僕のいたチームは、全米トップクラスとはいえ所詮は高校のレスリングチームだから、メディアから注目されるということはなかったんだ。

でも、僕が最高学年になるとメディアの注目をすごく集めるようになっていて、練習しているときにカメラがずらっと並んでいることがあった。そんなときにチームメイトのレスラーがコーチに対して発言したんだ。「なんで、カイルにこれだけの注目が集まっているんだ。確かに、彼はいいプレイヤーだけど、うちのチームで一番強い選手ではないじゃないか。」って。

それを聞いて、僕はすごく光栄に思ったよ。僕が注目を集めることができるようになったのはハンディキャップを持っているけど、レスリングで強い選手になれたからなんだ。なのに、その仲間はハンディキャップなんて考えてなくて、僕を本当に普通の仲間、ライバル、人間として見てくれているから「なぜカイルが注目されるのか?」に納得ができずにでてきた発言だと思うんだ。

始めのうちはずっと試合で負け続けて、初めて勝つことができたとときはどのように感じましたか?

それは言葉にならないほどの感動だったね。興奮や喜び、達成感や自分が生きているという実感であったり、自由というものをそれまでにないほど感じることができた。今思えば、自分の基礎となるものはそのときに得ることができたと思う。そして、犠牲を払えば、それ以上のものが返ってくることも、その時に学んだんだ。例えば、毎日ご飯を食べるときに、その一口は何も感じないが30日間何も食べないと、その最初の一口というのはとてつもない感覚になる。それと同じだね。

レスリングで勝てるようになった技術的な要因は何だったんですか?

説明しづらいから実際にやってみようか。
勝てるようになった技術的な要因が2つあって、1つは技のグリップ。

相手を捕まえるのがすごく簡単にできるようになったんだ。手を引き抜こうとしてみて?

無理、無理、無理。すごい、全力で引っぱっているのに抜けない。

ギブです!ギブです!ギブです!ギブです!(本当に痛かったです。)

はは。(笑)
こんな感じですぐに相手を掴んで技をかけれるようになったのが大きいね。

そして、もう一つは自分自身の弱点がよく分かってきたということ。

相手に頭を押し付けないで、そのまま後ろをとられるようなかたちになると自分の弱点とわかったから、そこでどのように相手の足にタックルするかとか、そういったことを学ぶようになった。
また、様々なグリップの方法を覚え、相手との間合いを詰めてなるべく地面で下の部分で戦うようにするということを学んだ。それで大きく変わったなと思う。

〈ブラジリアン柔術をたしなむ様子〉

これからのスポーツ選手はマインドをどのように醸成していくのかが大切

最後にご自身が考える、スポーツ選手が持っておくべき考え方などあれば教えてください。

ちょうど昨晩も読んでいたんだけど、宮本武蔵の『五輪書(ごりんのしょ)』という名著があって、僕のバイブルなんだ。その本は宮本武蔵の著した兵法書で、剣の奥義などについて書かれていて、宮本武蔵の考え方をまとめあげた本だね。日本の方であれば、宮本武蔵が剣の達人であることは誰もが知っていると思うけど、その彼が言っていた多くの大切なことは、意識や気づきといった心や頭のなかのものにフォーカスしていくことだったんだ。

今のスポーツは正しい食事やトレーニングのプログラムであったり、あるいはトレーニングと休憩の比率やスケジュールをどう組むかという細かいところにフォーカスが当たっていて、マインドや心といった精神活動に対する注目はされていない。

けれど、これからのスポーツ選手はマインドをどのように醸成していくのかが大切だね。マインドに注目するべき理由はいくつでもあげることができるけれど、一番競技に関係することで言えば、マインドを醸成することによって、時が止まるほどの集中力であったり、潜在意識との対話をすることができるからなんだ。そして、それはパフォーマンスに大きな影響を及ぼす要素だからね。

 

〈アコンカグア登山時の様子〉

両手両足がないという障害を持ちながらも、多くの偉業を成し遂げたカイル・メイナード。
インタビューをしていて感じたことは、彼は頭がよく、身体能力も高く、さらに人格者であるということだ。
そして、注目すべき点は彼の数々の偉業ではなく、常に自らの身を逆境の中に置き、マインドを磨き続ける姿勢だ。
なぜならば、結果はいわば、それらの副産物にすぎないのだから。
失敗を恐れず、挑戦し続けるべきだ。カイルの話からそのような教訓を読み取らずにはいられない。

文:MOVE編集部

EVENT INFORMATION

HERO’S JOURNEY CONFERENCE JAPAN-ヒーローズジャーニーカンファレンスジャパン

日程:2017年7月15日(土)
場所:かつしかシンフォニーヒルズ
主催:ヒーローズジャーニーカンファレンスJAPAN実行委員会
運営:GIVENESS INTERNATIONL / クエストカフェ
出演者:カイル・メイナード / ラウラ・デッカー / ロバート・ウォルター / パトリック・タカヤ・ソロモン / ジュディス・ディロージャー / リチャード・グレイ / 宮越大樹 / ピース小堀 / 島田由香/ 脇雅昭 / 矢澤祐史
スポンサー:ユニリーバ・ジャパン / GOOD LIFE / キャリアバイト
メディアパートナー:ログミー / TABIPPO / MOVE

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PROFILE

選手プロフィール
カイル・メイナード

カイル・メイナード

先天的四肢欠損という障害を持ちながら、レスリング、ウェイトリフティング、柔術などの分野でアスリートとして活躍。数々の偉業を成し遂げた彼は、2004年にスポーツ専門チャンネルのESPNから、身体障害者のベストアスリート賞を受けるなど、様々な賞を受賞。
19歳で自らの哲学を記した『No Excuses』を出版し、多くの感動とともにベストセラーになった。
現在は、モチベーショナル・スピーカーとして企業や学校、軍基地などで講演をするほか、執筆活動、フィットネスジム「No Excuses Crossfit」を経営するなど、様々な分野で活動を続けている。
その後、突如として無謀とも言える山岳アタックを決意し、2012年、アフリカ最高峰キリマンジャロ5895mの登頂に成功する。そして、昨年2016年には、さらに難しい南米最高峰6962メートルのアコンカグアの登頂を達成。

選手公式SNSアカウント

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先天的四肢欠損という障害を持ちながら、レスリング、ウェイトリフティング、柔術などの分野でアスリートとして活躍。数々の偉業を成し遂げた彼は、2004年にスポーツ専門チャンネルのESPNから、身体障害者のベストアスリート賞を受けるなど、様々な賞を受賞。
19歳で自らの哲学を記した『No Excuses』を出版し、多くの感動とともにベストセラーになった。
現在は、モチベーショナル・スピーカーとして企業や学校、軍基地などで講演をするほか、執筆活動、フィットネスジム「No Excuses Crossfit」を経営するなど、様々な分野で活動を続けている。
その後、突如として無謀とも言える山岳アタックを決意し、2012年、アフリカ最高峰キリマンジャロ5895mの登頂に成功する。そして、昨年2016年には、さらに難しい南米最高峰6962メートルのアコンカグアの登頂を達成。

選手公式ウェブサイト http://kyle-maynard.com/ 選手公式SNSアカウント

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先天的四肢欠損という障害を持ちながら、レスリング、ウェイトリフティング、柔術などの分野でアスリートとして活躍。数々の偉業を成し遂げた彼は、2004年にスポーツ専門チャンネルのESPNから、身体障害者のベストアスリート賞を受けるなど、様々な賞を受賞。
19歳で自らの哲学を記した『No Excuses』を出版し、多くの感動とともにベストセラーになった。
現在は、モチベーショナル・スピーカーとして企業や学校、軍基地などで講演をするほか、執筆活動、フィットネスジム「No Excuses Crossfit」を経営するなど、様々な分野で活動を続けている。
その後、突如として無謀とも言える山岳アタックを決意し、2012年、アフリカ最高峰キリマンジャロ5895mの登頂に成功する。そして、昨年2016年には、さらに難しい南米最高峰6962メートルのアコンカグアの登頂を達成。

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